十三峠街道と宇津峠 青苧とイザベラ・バードの道
十三峠街道は置賜と越後を最短距離で結ぶ街道で、大永元(1521)年の伊達稙宗による大里峠開削によって始まります。その中で、宇津峠は最も峻険な峠で、イザベラ・バードや良寛などが記し残したことで歴史的な峠として知られています。また、越後小千谷地方の縮織生産に原料を供給する輸送ルートとして盛んに青苧が往来し、近世後期における置賜地方の経済発展に大きな影響を与えた重要な街道だったと考えられています。
手ノ子地区は、国道113号線の敷設によって宿場町としての面影は失われましたが、宇津峠の交通・輸送を支えた歴史的な宿場町であり、今も歴史的な遺産がのこっています。交通・輸送の歴史を実感できる宇津峠と宿場町手ノ子に関わる文化資源を語り継ぎ、時代の変化と人間の営みや努力を実感できるような取組みを展開していきます。
手ノ子地区は、国道113号線の敷設によって宿場町としての面影は失われましたが、宇津峠の交通・輸送を支えた歴史的な宿場町であり、今も歴史的な遺産がのこっています。交通・輸送の歴史を実感できる宇津峠と宿場町手ノ子に関わる文化資源を語り継ぎ、時代の変化と人間の営みや努力を実感できるような取組みを展開していきます。
保存・活用の取組み
- 散策路の整備・・・案内板及び説明看板、休憩所の設置、改修等
- 景観づくり・・・環境美化(倒木の撤去、除草等)、旧道領域の整備
- イベント等の開催・・・歩こう会の実施
- 案内人の養成・・・宇津峠及び手ノ子地区のガイド養成、ガイドブックの作成
- 文化財等の調査、修復・・・自然資源の調査等
主な構成文化財等
・道普請供養塔 【町指定有形文化財】 ・馬頭観世音碑【町指定有形文化財】
【以下未指定】
・宇津明神跡 ・手ノ子西舘跡 ・はだか杉 ・宇津峠近世道 ・宇津峠近代道 ・介(たすけ)茶屋跡、
・十三峠絵図 ・手ノ子駅舎跡 ・落合地蔵尊 等
道普請供養塔【町指定有形文化財】
弘化2(1845)年に、小松から大里峠までの街道改修普請を記念して建立された道普請供養塔です。碑には、工事に関わった有力者・関係者・役人などの名前が刻まれ、旧米沢藩領における経済変化をうかがい知れる貴重な資料です。
はだか杉
十三峠絵図
飯豊町在住の個人所蔵の絵図。年代は明確ではありませんが、近世の絵図と推定されている当時を知ることができる貴重な史料です。破損している箇所もあることから、デジタルで保存するなどして活用を図っていく予定です。
イザベラ・バード遠望の地
新潟方面から十三峠を越えて手ノ子に入ると、それまで木々によって遮られていた視界が一気に開け、眼下に置賜盆地を一望できる場所があります。手ノ子地区協議会宇津峠部会ではここをイザベラ・バード遠望の地だと推定しています。バードが『日本奥地紀行』において「私は、歓迎してくれるような陽光を浴びた山頂から雄大な米沢の平野をいそいそと眺めました」と記している場所です。後に置賜盆地を東洋のアルカディアだと例えたバードが、初めて置賜を見た景色はここからのものだったのではないでしょうか。現在、年に2回宇津峠部会で開催している「歩こう会」の休憩地点として、雑草を除草することで景観を維持しながら活用しています。
地図
わたしたちが案内します 手ノ子地区協議会宇津峠部会 電話:0238-75-2832
- 【アクセス】JR米坂線手ノ子駅から車で10分
- 【問合せ先】飯豊町教育委員会教育文化課 電話:0238-72-3111