萬世大路 山形県の近代化の礎となった明治日本における最先端の土木産業遺産
萬世大路は、明治初期の統一山形県令三島通庸と統一福島県令山吉盛典が、両県の交流と発展を目的として共同で工事を実施。当時としては国内でも極めて大規模な道路工事で、県境の栗子隧道は876mという当時日本最長のトンネルとなりました。東北巡幸中の明治天皇を迎えて開通式が催され、翌年には明治天皇より「萬世大路」と命名されました。
平成8年、萬世大路―栗子峠越えが文化庁選定「歴史の道百選」となり、さらには土木学会選奨土木遺産、経済産業省の近代化産業遺産にも認定されており、歴史的・学術的に高く評価されています。
保存会は万世地区の全戸と賛助会員をもって構成されており、萬世大路の歴史を多くの人に知ってもらい、これからも良好な状態で未来へと伝える保存・利活用の活動を行っていきます。
保存・活用の取組み
- 国道13号萬世大路記念碑公園の清掃、草刈り作業
- 散策道の整備
- 地元小学校・コミセン事業・JR小さな旅など各種団体のガイド
- ガイド養成および学習会
- 福島県側関係者との交流
- 機関誌「萬世の大路」、ガイドブック、マップの刊行
- 萬世大路調査報告書の刊行
- 米沢市小中学校用副読本『歴史の道萬世大路』製作への協力
- 道の駅デジタルサイネージの保守、データ更新
- 萬世大路の歴史研究
主な構成文化財等
・萬世大路(栗子隧道・滝岩上橋・石積みの遺構等含)
【文化庁選定「歴史の道百選」】
・萬歳の松 ・栗子隧道碑記 ・萬世大路記念碑公園
萬世大路【文化庁選定「歴史の道百選」】
萬世大路は、江戸時代に福島-米沢間を結んでいた板谷街道に代わる新道として計画され、明治14年に栗子隧道が完成し開通しました。昭和41年に現在の国道13号が開通するまでは山形の物流を支えていました。
平成8年に文化庁選定「歴史の道百選」に選ばれ、平成24年には土木学会選奨土木遺産に認定され、平成20年には栗子隧道が経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。
明治・昭和の坑口が並ぶ栗子隧道をはじめ、滝岩上橋・滝ノ沢駐賛之碑・明治の泉碑・太助茶屋跡・石積みの遺構など往時を彷彿とさせる多くの遺構が残り、道路も良好に残っています。
また、保存会の手によって設置されたプレートを見て、周辺の豊かな自然環境を楽しみながら散策することが可能となっています。
萬歳の松
明治22年、旧万世小学校校庭に明治天皇御少憩の地記念として植えられた記念樹です。山形県と米沢市の景観重要樹木に指定され、現在は東北中央自動車道米沢八幡原IC内の萬歳の松公園にあります。
この松は保存会結成のきっかけとなったものであり、保存会の活動の一環として案内ガイドや広報誌等で周知が図られています。
栗子隧道碑記
明治15年に栗子隧道の米沢側坑口に建立されたもので、明治期の栗子隧道工事について記されています。平成30年、福島河川国道事務所栗子国道維持出張所構内から道の駅米沢敷地内に移設されました。萬世大路の歴史を知る上では、欠くことのできない貴重な碑となっています。
保存会ではこの碑の歴史的な検証やPRに努めており、碑文を訳した資料を誰もが見ることができるよう、道の駅米沢構内に準備しています。
わたしたちが案内します
歴史の道土木遺産萬世大路保存会
- 【アクセス】
JR米沢駅より市営バス「万世線(下り)」乗車 30分
川越石バス停下車
米沢砕石事務所(入山者名簿記載)まで徒歩20分 - 【問合せ先】
万世コミュニティセンター 電話:0238-28-5381