海とともに生きた人々の祈り ~遊佐町浜通りの漁業・海運に関わる歴史文化財~
遊佐町西部の日本海に面した浜通りの男たちは、生活の糧、そして夢を求めて荒波に乗り出していきました。危険を伴う漁業や海運に従事した人々は神仏の加護を祈り、豪壮な社殿を造営し、船絵馬や石造物を神社に奉納しており、当時の人々の生活の様子をうかがい知ることのできる文化財が多数存在しています。
この取組みでは漁業・海運関係資料の整理・活用を図り、同時に、海にまつわる信仰の対象となる巨石などとも関連付けながら、講演会や文化財探訪ツアー、旧青山邸における企画展、文化財探訪マップを活用した情報発信等を行
います。海とともに生きてきた村の歴史の掘り起こしと関連文化財の一体的な保存活用に取組み、観光振興や地域活性化につなげていきます。
この取組みでは漁業・海運関係資料の整理・活用を図り、同時に、海にまつわる信仰の対象となる巨石などとも関連付けながら、講演会や文化財探訪ツアー、旧青山邸における企画展、文化財探訪マップを活用した情報発信等を行
います。海とともに生きてきた村の歴史の掘り起こしと関連文化財の一体的な保存活用に取組み、観光振興や地域活性化につなげていきます。
保存・活用の取組み
- 文化財の保存調査・及び修復
- 漁船や漁業、海に関わる信仰などについての講演会
- 漁業・海運に関わる文化財探訪ツアーの実施
- 文化財探訪マップを作成し、町内外へ情報発信
- 調査や修復事業と連動させた「旧青山本邸」における企画展の実施
- 調査成果の報告書作成
主な構成文化財等
・旧青山家住宅【国指定重要文化財】
・「鳥海山」(鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮境内)【国指定史跡】
・鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮本殿 ・〃摂社月山神社本殿 ・〃拝殿 ・〃登廊 ・〃中門廻廊 ・〃後神門 ・〃玉垣 ・〃下拝殿【以上国登録有形文化財】
【遊佐町指定有形文化財】
・諏訪神社の船絵馬 ・鳥海山大物忌神社の船絵馬 ・薬師神社の船絵馬 ・船玉神社の船絵馬 ・稲荷神社の船絵馬 ・十六羅漢岩・(伝)土佐光孚筆「洛中洛外図屏風 六曲一双」 ・旧青山本邸の漁業・海運史料 ・青塚の諏訪神社 ・服部興野の船玉神社 ・十里塚の天売島(てうりとう)沖遭難者供養石仏 ・芭蕉句碑「温海山や吹浦かけて夕すゞみ」・阿部清右エ門翁功徳碑 ・絵馬 加藤雪窓(せっそう)筆「御浜出神事(おはまいでしんじ)」
・祭礼「御浜出神事」 ・月光川河口の出羽二見 ・月光川河口の弁慶石
・「鳥海山」(鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮境内)【国指定史跡】
・鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮本殿 ・〃摂社月山神社本殿 ・〃拝殿 ・〃登廊 ・〃中門廻廊 ・〃後神門 ・〃玉垣 ・〃下拝殿【以上国登録有形文化財】
【遊佐町指定有形文化財】
・諏訪神社の船絵馬 ・鳥海山大物忌神社の船絵馬 ・薬師神社の船絵馬 ・船玉神社の船絵馬 ・稲荷神社の船絵馬 ・十六羅漢岩・(伝)土佐光孚筆「洛中洛外図屏風 六曲一双」 ・旧青山本邸の漁業・海運史料 ・青塚の諏訪神社 ・服部興野の船玉神社 ・十里塚の天売島(てうりとう)沖遭難者供養石仏 ・芭蕉句碑「温海山や吹浦かけて夕すゞみ」・阿部清右エ門翁功徳碑 ・絵馬 加藤雪窓(せっそう)筆「御浜出神事(おはまいでしんじ)」
・祭礼「御浜出神事」 ・月光川河口の出羽二見 ・月光川河口の弁慶石
旧青山家住宅 【国指定重要文化財】
北海道小樽におけるニシン漁で、道内でも有数の漁業家として大成功を収めた青山留吉(とめきち)が、生まれ故郷の遊佐町青塚に、豪奢な本邸を築きました。
主屋の建設は青山留吉が、明治20(1887)年に企画し、分家の当主で、後に西遊佐村長を務めた青山米吉(よねきち)に計画の一切を任せ、明治23(1890)年に竣工、離れは明治29(1896)年に竣工しました。
主屋は桁行22.5m、梁間13.2m、上座敷、下座敷、中の間、茶の間など主要8室で構成されています。屋根は切妻造瓦葺(きりづまづくりかわらぶき)、軒は出桁(だしけた)によるせがい造、下手の正面に矩(かね)折れに角屋を突き出しており、室内の意匠は柱や長押(なげし)・差鴨居などに、春慶塗(しゅんけいぬり)を施した豪奢な造りとなっています。
主屋の建設は青山留吉が、明治20(1887)年に企画し、分家の当主で、後に西遊佐村長を務めた青山米吉(よねきち)に計画の一切を任せ、明治23(1890)年に竣工、離れは明治29(1896)年に竣工しました。
主屋は桁行22.5m、梁間13.2m、上座敷、下座敷、中の間、茶の間など主要8室で構成されています。屋根は切妻造瓦葺(きりづまづくりかわらぶき)、軒は出桁(だしけた)によるせがい造、下手の正面に矩(かね)折れに角屋を突き出しており、室内の意匠は柱や長押(なげし)・差鴨居などに、春慶塗(しゅんけいぬり)を施した豪奢な造りとなっています。
鳥海山【国指定史跡】
鳥海山は、山形県と秋田県にまたがり、裾野を日本海に広げる独立峰の火山(標高2,236m)です。そのため、指定範囲も両県にまたがっています。山頂には、出羽国一之宮鳥海山大物忌神社の本社が鎮座しており、古代は国家の守護神として、古代末から中・近世を通じては出羽国の中心的な信仰の対象として崇拝されていました。近世以降は、特に農業の神として崇められています。
山形県側としては、古代以降続いてきた出羽国の宗教や信仰の実態を知るうえで重要で、その中心となる鳥海山大物忌神社の境内地(山頂の本社を中心とする五合目までの山岳部分)と、吹浦・蕨岡の両口ノ宮部分など約917haが指定されています。
山形県側としては、古代以降続いてきた出羽国の宗教や信仰の実態を知るうえで重要で、その中心となる鳥海山大物忌神社の境内地(山頂の本社を中心とする五合目までの山岳部分)と、吹浦・蕨岡の両口ノ宮部分など約917haが指定されています。
絵馬 加藤雪窓筆「御浜出神事」
7月14日、月山神、大物忌神の神輿が神社から西浜海岸まで巡行し、海岸、鳥海山山頂、7合目御浜、宮海、飛島の5か所で同時に篝火を焚きます。五穀豊穣、大漁を祈る神事で、「火合せ」とも呼ばれ、現在も毎年行われています。この絵馬は、酒田の森重郎(じゅうろう)(雅号竹堂)奉納の絵馬です。明治25年7月に避暑のために湯の田温泉に泊まった森が、「火合作祭(ひあわせさくまつり)」を見学した際感銘を受け、友人の画家加藤雪窓にその模様を描かせたとされています。
地図
わたしたちが案内します
旧青山本邸 案内人会 ほか(事務局 遊佐町教育委員会 文化係 電話:0234-72-5892)
- 【アクセス】旧青山本邸:JR羽越本線 遊佐駅から車で約15分
鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮:JR羽越本線 吹浦駅から徒歩約10分 - 【問合せ先】遊佐町教育委員会 文化係 電話:0234-72-5892(遊佐町役場内)