早わかり最上川
最上川の概要 その2
人々は、舟運だけでなく、農林水産業などで多様に川を利用し、ときには川と闘いながら、知恵を育み、生活を豊かなものにしてきました。 米沢城 下では、洪水対策のための石堤を築きました。 庄内平野では、洪水による肥 沃な土を利用し、用水堰(ようすいぜき)と砂防林(さぼうりん)によって日本有数の水田地帯が形成されました。
左:直江石堤(米沢市) 中:北楯大堰(庄内町) 右:庄内平野(酒田市)
また、最上川の景観は、人びとの心を惹きつけてきました。松尾芭蕉(まつおば しょう)や齋藤茂吉(さいとうもきち)、小松均(こまつひとし)などによって文学や芸術に取り上げられてきました。 現在でも、最上川には江戸時代の川絵図に描かれた風景が数多く残っています。
大淀の眺め(村山市)
このように、最上川は山形県にとって生活や文化、生業を生み育てた「母なる川」であり、県民にとって心のふるさとです。最上川流域の文化的景観は、自然の河川が持つ力を人間が多様に活用した典型的な事例であり、日本を代表する河川利用の姿といえます。
眺海の森からの眺め(酒田市)