川絵図を読み解く
最上川の川絵図
最上川には、舟運が盛んだった江戸時代を中心に描かれた川絵図が、国内最多の14点が確認されています。
このうち、羽州川通絵図 自米沢正部最上左沢(山形県立博物館蔵)、松川舟運図屏風(公益財団法人宮坂考古館蔵)、最上川谷地押切渡より柏沢迄絵図(公益財団法人致道博物館蔵)の3点は、県指定有形文化財となっています。
最上川川絵図一覧
① 須川・最上川絵図(山形県立博物館蔵)
② 羽州川通絵図 自米沢正部最上左沢(山形県立博物館蔵)【県指定有形文化財】
③ 最上川通船卸定目并運賃作法書留(山形県立博物館蔵)
④ 最上川絵図(最上徳内記念館蔵)
⑤ 最上川絵図(個人蔵)
⑥ 最上川舟運絵図(個人蔵)
⑦ 松川舟運図屏風(公益財団法人宮坂考古館蔵)【県指定有形文化財】
⑧ 自左沢至酒田 最上川絵図(河北町教育委員会蔵)
⑨ 最上川通船案内書(大石田町立歴史民俗資料館蔵)
⑩ 最上川川通絵図(大郷歴史保存会蔵)
⑪ 最上川谷地押切渡より柏沢迄絵図(公益財団法人致道博物館蔵)【県指定有形文化財】
⑫ 最上川川絵図(山辺町ふるさと資料館蔵)
⑬ 最上川川絵図(個人蔵)
⑭ 最上川川通絵図(個人蔵)
最上川の川絵図には、船の通り道として川の様子が描かれ、特に難所の岩、瀬、淵などは詳細に描かれ、名前が記され ているものもあります。また、周囲の村々が描かれているものや、川を上り下りする船や人々の姿が描かれているものも多くあり、川絵図は、最上川舟運を知るうえで文字資料と並んで貴重な資料と言えます。同様の川絵図は、北上川(岩手県、宮城県)、阿武隈川(福島県、宮城県)、富士川(長野県、山梨県、静岡県)で確認されています。
形状別に見ると、巻物が一般的で、右側を上流、東側を下流として描いているため、上が右岸、下が左岸となります。
川絵図の依頼者や製作者等が明らかになっていないものもありますが、流域の藩や商人に関係すると考えられます。
最上川では、川絵図に描かれた川や難所の様子、そして周辺の風景を現在でも同じように見ることができます 。