最上川が運んだ文化

舟運を介した上方文化との交流

 最上川流域の各地域は、最上川という大動脈によって互いに結ばれ、酒田湊を経由して西廻(まわ)り航路で上方と直結していました。このため、内陸部にあっても上方文化の強い影響を受けることになりました。

最上川流域の特産品

 p17 紅花江戸時代の最上川舟運では、幕府や大名の年貢米輸送が最優先されましたが、商人の物資の輸送も盛んに行われました。紅花(べになば)、青苧(あおそ)などの特産品や、大豆(だいず)、小豆(あずき)、煙草(たば こ)、蝋(ろう)、漆(うるし)、菜種(なたね)などが酒田湊を通って、上方に運ばれました。

 
p17 紅餅 紅花は、江戸時代には日本各地で栽培されていましたが、「最上紅花(もがみべにばな)」は高い品質で知ら れ、江戸時代中期には全国生産量の約4割を占めるほどになりました。最上紅花は、最上川中流の村山地方で産 出される紅花のことで、品質を保証するブランドでした。

 紅餅(べにもち)

p17 青苧 青苧(あおそ)は、紅花とならぶ最上川流域の特産品で、苧麻(ちょま)やカラムシともよばれる植物の繊維 を糸に加工したものです。最上川舟運で各地に運ばれ、奈良晒(ならさらし)や小千谷縮(おぢやちぢみ)など 、高級織物の糸として使われました。 主に置賜地方や村山地方などで栽培され、中でも大江町産のものは良質とされました。
 明治時代以降の養蚕の拡大によって青苧栽培は衰退しましたが、近年、青苧復活の動き(外部サイト)があります。

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