最上川の自然やめぐみ
地質
千数百万年前、最上川の流域全体は、温暖な浅い海の底でした。庄内平野は海であり、県内の各盆地は山間に湖を形成していました。
今から百万年前の頃、地殻変動が激しくなり、奥羽山脈や出羽 丘陵が隆起(りゅうき)し、米沢、山形、新庄の各盆地が陸化していきました。やがて各盆地の低い部分に残された湖沼 群をつなぐように流れが生まれ、最上川の原形が形成されました。最上川がほぼ現在の姿になったのは、約十万年前以降と推定されています。
動物
鳥類では、オジロワシ、オオタカをはじめとする貴重種が生息しており、冬季にはハクチョウの飛来地として知られています。
最上川中流域の山形盆地に生息しているイバラトミヨは特殊型(雄物型)とよばれています。これは、山形盆地と秋田県の横手盆地にだけ生息しているもので、遺伝的に純粋な形が保たれているのは山形盆地のものだけといわれています。かつて、広い汽水湖が県内陸部まで伸びていた頃に、最初に入り込んだものがそのまま居ついたものと考えられ、トミヨ属魚類の種の分化を通して、山形県の地形変化を知ることができます。天童市高木地区と東根市羽入(はにゅう)地区のイバラトミヨ生息地が、県指定天然記念物となっています。
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ハクチョウの飛来地(左) 氷河期の生き残り イバラトミヨ(右)
また、各地に原生林の残る最上川流域最上川流域では、国の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカをはじめ、数多くのほにゅう類、はちゅう類が生息しており、生物の生息地としておおむね良好な環境を保っているいえます。
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